
利用シーンをリアルに伝える“写真力”(前編)

ユポ・コーポレーション様
ユポマルシェ ご担当部署様
紙よりも水に強く、破れにくくて軽量であるうえ、印刷や筆記特性に優れた、紙のようなフィルム素材。
そんな合成紙ユポを製造・販売する株式会社ユポ・コーポレーション様が展開するアンテナショップ「ユポマルシェ」。
同サイトに掲出されているデザイナーズ商品の利用シーンの撮影にインフォトを活用。
その経緯や使い勝手について、ご担当者様に伺ったお話を、前後編に分けてご紹介します。
2016.10.30
身近な場所で広く活用されているユポ

ユポは、紙のようなフィルム素材です。弊社は1969年に、森林枯渇を危惧した当時の政府主導で打ち出した政策に則り誕生したいくつかの企業の中のひとつで、現在では、国内企業の中では少ないの存在となりました。(現在2社)
紙よりも水に強く、破れにくく軽量である、薬品や油に強く印刷適性が高い、紙粉が出ない、など様々な優れた特性を有するため、幅広い用途で利用されています。
例えば、鉛筆による筆記が可能なマット調のユポは投票用紙に使用されていますし、屋外に掲出される選挙ポスターのほとんどがユポ。
電車やタクシーのドアのガラス面に貼られている両面ポスターやペットボトルや飲料缶に貼られている小さなキャンペーンラベル、シャンプーやリンスのボトルラベル、アイススクリームカップの蓋、会員証やポイントカード、屋外で使用する地図類やクリーンルーム内で使用するノートなど、ユポの名前こそ知られていなくても、実は私たちの身近なところで広く活用されている素材です。
カメラマンさんであれば、光を拡散させるために使用するディフューザーでお馴染みかもしれません。
クリエイターとの再会からはじまった
そんなユポの認知度アップと、素材としての可能性を広げるために、私たちは1995年に「ユポデザイン大賞」を創設。
以降、10年間に渡って若手デザイナーを中心に、非常に多くの優れた作品の応募をいただきました。
その過程において、関係者内外からいくつかの作品について商品化の要望があったものの、一般消費者向けのプロダクト商品の生産、小売販売ノウハウを持たない素材メーカーという立ち位置にある私たちとしては、なかなか難しい部分はありました。
しかし、その10年間というデザイン大賞公募期間を終え、クリエイターの中にユポのファンが確実に生まれていたし、期待の声もあり、デザイン大賞に続く何らかの取り組みをすべきと考えていたところでした。
そんな中、デザイン大賞の受賞者から、自分の個展に展示する作品作りに使用するユポを検討しているとの連絡が入りました。
よくよく聞いてみると、その方はデザイン大賞応募当時に弊社が支給したユポをずっと大事にとっていて、少しずつ使用していたとのこと。
ユポを採用頂いたその作品が、個展で好評だったとの報告があった際、「商品化を考えている」というお話が出て。
当時は弊社で商品化したり、販売はできなかったため、サポートするのは可能では?との社内コンセンサスを得たのがはじまりでした。
これを皮切りに、デザイン大賞受賞者であるクリエイターの方々との再会があり、ユポを使った作品が少しずつ登場。
何よりも、メーカーである私たちが、そういったクリエイターの方々と一緒に作る面白さを実感することができたのが大きな転機になったような気がします。

商品の使用シーンを撮影したい
そこで、私たちは無償で開設できるEコマースにチャレンジ。
現在の「ユポマルシェ」の前身となる「ユポショップ」を立ち上げました。わずか2商品を販売したのですが、特別な広報活動など一切行わなかったにも関わらず、完売商品が出る等多少なりとも良い販売実績を残すことになりました。
そこでユポの特性を多くの方々に知っていただく、ひとつの有効な手段と捉え、アンテナショップという位置づけで規模を拡大しようと部内で検討。
「ユポマルシェ」と命名し、弊社名は前面に出さずに、ユポをテーマとしたデザイナーズ商品を販売する場とすることとしました。
「ユポマルシェ」を展開するにあたっては、やはり商品単体の写真ではなく、その特徴が表現できる使用シーンを提案したいと考えました。
やはり、どうしても商品は白色のものが主体となるので、イメージが伝わりづらい。
そこで、以前から撮影をお願いした事のある、インフォトに相談しようと考えました。 (後編へ続く)
※取材時の情報です